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2023年7月27日木曜日

切手に見る原理・法則・定理-9.特殊相対性理論-

1905年にドイツ生まれの理論物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)が提唱し、重力の影響を考えない特殊な環境下において、「時間の進み方や空間の大きさは『絶対的』なものではなく、観測者の置かれた状況によって変わる『相対的』なものである」とする物理理論です。


特殊相対性理論は、アインシュタインが若干26歳のときに提唱しています。


1915年に同じくアインシュタインにより提唱された一般相対性理論と区別するために「特殊」を付けて呼びますが、一般的に「相対性理論」といえば特殊相対性理論を意味します。


特殊相対性理論と一般相対性理論の違いは、特殊相対性理論は「静止している観測者から見ると、光速で移動している物体の時間は止まっている」という光速不変の原理を提唱し、一般相対性理論は「重力は空間と時間を歪める」という重力の相対性を提唱しています。


切手は2005年ドイツ発行の「特殊相対性理論発表100周年記念切手」で、アインシュタインの肖像とともに特殊相対性理論の方程式が描かれています。




1987年ウガンダ発行の「」アインシュタインの肖像とともに宇宙空間と特殊相対性理論の方程式が描かれています。




切手は1979年メキシコ発行の「アインシュタイン生誕100周年記念切手」で、アインシュタインの肖像とともに特殊相対性理論の方程式が描かれています。



切手は1956年イスラエル発行の「著名人切手」で、アインシュタインの肖像とともに特殊相対性理論の方程式が描かれています。




切手は2005年スイス発行の「アインシュタイン・相対性理論100年記念切手」で、研究中のアインシュタインの肖像とともに特殊相対性理論の方程式が描かれています。




E=mc2乗:アインシュタインが特殊相対性理論からみちびいた,世界で一番有名な式で,「ほんのわずかな物質にも,膨大なエネルギーが秘められている」ことを意味し、E=mc2乗 によると,物質からエネルギーを引きだせ,また逆に,エネルギーから物質を生みだすこともできるといいます※※




一番切手-4.インデアンを描いた世界最初の切手-

切手に初めてインディアンが登場したのは、1893年です。


※インディアンとは、アメリカ州の先住民族のうち、エスキモー・アレウトを除く諸民族の総称※


この年コロンブスアメリカ大陸発見400年記念博覧会切手に描かれていますが、添え物的に描かれたものです。


切手は1893年米国最初の記念切手「コロンブスアメリカ大陸発見400年記念博覧会切手」の中の一枚に、陸地を見たコロンブスが中央に描かれ、左右にインディアンの男女が描かれています。



切手にインディアンがメインに描かれるには、1923年まで待たなければなりませんでした。


切手は1923年米国発行の「普通切手」の中の一枚で、インディアンの酋長が描かれています。 




2023年7月26日水曜日

切手に描かれたモンスター-1.狼男-

モンスターとは、一般的には自然界には存在しない想像上の恐ろしい生物を指します。


また、人間の形を持ちながらも、その行動や性格が非人間的で恐ろしい存在を指す場合もあります。


モンスターは、ホラー、ファンタジー、サイエンスフィクション、民間伝承、神話、宗教など、様々なジャンルの作品に登場し、その姿はドラゴン、ゴブリン、スケルトン、ゾンビ、吸血鬼、狼男、フランケンシュタインなど様々です。モンスターは、人間の恐怖心や好奇心を刺激する存在として、多くの人々に愛されています。


モンスターの起源は、古代にまで遡り古代ギリシャ神話には、ミノタウロスやキメラなどのモンスターが登場します。


これらのモンスターは、当時の人々の想像力によって生み出されたものです。


今回から数回にわたり切手に描かれたモンスターたちを紹介していきますのでお付き合いください。


第一回目は狼男についてです。


狼男は、伝説の生物の一種で人が半狼半人の姿に変身したり、狼に憑依されるなどした人間の男性のことです。


ギリシャの歴史家ヘロドトス(紀元490~紀元前前430)の著書『歴史』の中に1年に一度狼になるという人の記述があります。


またはローマ帝国末期に人が獣化する現象が初めて「症候群」として紹介されています。

普通の人が満月の光によりに狼に変身し、人や家畜の血液や肉を求めてさまよい歩くが、夜明けとともに人間に戻るとされています。


1995年に、人狼症候群と名づけられた極度の多毛症を引き起こす突然変異遺伝子が確認されましたが、発症例は極めて稀で中世以降、記録された例は50例に満たないとされています。


また狼男は銀の弾丸で死亡すると言われています。


これは銀の持つ強い殺菌作用によることに由来していると言われています。


切手は1997年米国発行の「クラシック映画のモンスター切手」の中の一枚で、狼男が描かれています。




切手は2009年スロベニア発行の「スロベニアの神話切手」で、狼男が描かれています。





切手は2014年マーシャル諸島発行の「映画の中のモンスター切手」の中の一枚で、満月の夜に変身する狼男が描かれています。






切手に見るナイチンゲール物語-2.ナイチンゲールと永遠に続く火-

フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)の名前を知らない人はまずいないと思います。


ナイチンゲールに関しては当ブログでも紹介しています。


今回はナイチンゲールに関しての"永遠に続く火"について解説してみます。


ナイチンゲールは、クリミア戦争の際に毎晩ランプを灯して負傷者を具合を見て回ったことから、「ランプの貴婦人」とも呼ばれていました。


この時夜回りの際に掲げたランプとその炎が後に、"永遠に続く火"として使用されること

になります。


"永遠に続く火"は、絶えざる知識の象徴として使用されています。



切手は1950年ペルー発行の「国民教育普及切手」で、若い女性が永遠の火をかざして読書する光景が描かれています。





切手は1964年南アフリカ発行の「看護協会創立50年記念切手」で、若い看護師が永遠の火をかざしている光景が描かれています。





切手は1973年韓国発行の「大韓看護協会創立50年切手」で、若い看護師が永遠の火をかざしている光景が描かれています。






2023年7月25日火曜日

切手に見る知識の扉-19.割礼について-

割礼(かつれい)とは、主に宗教上の理由で男子の性器の包皮の一部を切除することを言います。


また、宗教上の理由のほかに、衛生上の理由などで行われる場合もあります。


割礼は、古来より中東の民族を中心に行われ、エジプトやユダヤの社会などで行われていましたが、割礼習慣のないギリシア人・ローマ人などから見ると、嫌悪すべき野蛮な風習とみなされていました。


現在でもユダヤ教やイスラム教、アフリカの諸民族などでは、宗教的な意味合いから割礼を行っている国々や地域は多く存在します。


カトリックでは、12月25日をイエスの誕生日としているので、8日後に割礼を行うユダヤ人の習慣から、1月1日が『キリストの割礼の日』と定めています。


切手は1969年スペイン発行の「絵画切手」でアロソン・カーノ(1601~1667)のキリストの割礼を描いた切手です。




切手は1983年リベリア発行の「クリスマス切手」で、ラファエロ・サンテイ(1483~1520)のキリストの割礼を描いた切手です。





切手は1982年パラグアイ発行の「キリストの生涯切手」の中の一枚で、アルブレヒト・デューラー (1471~1528)のキリストの割礼を描いた切手です。





切手は1987年グレナダ発行の「クリスマス切手の小型シート」で、ジョヴァンニ・ベッリーニ(1430?~1516)のキリストの割礼を描いた切手です。






2023年7月24日月曜日

切手に見る赤十字-6.赤新月マークの三日月の向きはどちらが正しいのか-

月が右向き(凸面が左側になる)が赤新月として広く使用されていますが、国によっては、左向きの月(凸面が右側になる)を使用する場合もあります。


「その国が赤新月社を設立するときにその社の定めた方向」が正しいのです。


ですから,どちらでも構わないことになります。


切手は1955年アフガニスタン発行の「赤新月の日切手」で、右向きの赤新月が描かれています。




切手は1946年トルコ発行の「トルコ赤新月社創立69年記念切手」の中の一枚で、右向きの赤新月と看護師が描かれています。




切手は1968年チュニジア発行の「チュニジア赤新月社切手」の中の一枚で。左向きの赤新月が描かれています。




切手は1980年ヨルダン発行の「国際看護デー切手」の中の一枚で、赤ちゃんを抱く赤新月社の看護師の左後ろに左向きの赤新月が描かれています。




一番切手-3.古生物を描いた切手-

現在では世界各国から古生物を描いた切手が数多く発行されて珍しくありませんが、初めて古生物を取り上げた国はインドです。


1951年に地質調査100年を記念した切手に像の祖先のステゴドンを描いています。


ステゴドンは、絶滅した大型哺乳類の一種で、現在のアジア地域に分布していた動物です。


ステゴドンは、ゾウ科に属し、約1,800万年前から約1万年前まで地球上に存在していました。


ステゴドンは、現代のゾウに似た外見を持っており、大きな体と長い鼻を持っていました。


切手は1951年インド発行の「インド地質調査100年記念切手」で、像の祖先に当たるステゴドンが描かれています。




2023年7月23日日曜日

切手に見る原理・法則・定理-8.光速度不変の原理-

ドイツ生まれの理論物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)は、真空中の光の速度は誰が見ても一定の値と提案しました。


光の速さはどの様な条件のもとでも観測する場所の速さや光源の運動の速さには関係なく秒速30万キロメートルで一定なのだと考えました。


アインシュタインはこれを『光速度不変の原理』として科学の理論を考える上での大前提としたのです。


この『光速度不変の原理』は、1905年にアインシュタインが発表した『特殊相対性理論』の基本原理なのです。


切手は2000年アンゴラ発行の「アインシュタイン / 世紀の偉人 6種シート」で、アインシュタインの日常生活が描かれています。




切手は1998年チャド発行の「著名人切手」の中の一枚で、若き日のアインシュタインとともに宇宙船が描かれています。



切手は1979年インド発行の「アインシュタイン生誕100周年記念切手」で、アインシュタインが描かれています。




切手は2015年モザンビーク発行の「アインシュタイン没後60周年小型シート」で、アインシュタインが描かれています。






切手に見る知識の扉-18.血液型によって蚊に刺されやすい人と刺されにくい人があるの??-

よく蚊に刺されやすい血液型と、刺されにくい血液型があるといわれますが、これは科学的な根拠があるのでしょうか??


巷では、O型の人は刺されやすく、A型の人は刺されにくいと言われているものの、これに関して科学的に検証した事例は世界的に見てもほとんど存在しませんでしたが、富山医科薬科大学(現、富山大学)で研究が行われ、論文が公表されました。


しかし、血液型による性格分類でされる批判と同様に、数ある血液型の中で特別ABO式血液型だけを基準にする科学的根拠は一切なく、蚊の吸血行動に影響を与えそうな血液型由来の物質も現在のところ知られていません。


これらのことから、刺されやすい血液型と、刺されにくい血液型があるという説は、科学的な根拠はありません。


蚊は二酸化炭素の密度が高い所、周りより温度が高い所へ向かう習性があります。


体温、におい、周りとの二酸化炭素の密度の違いなどで蚊は血を吸う相手を探します、そのため体温が高く、呼吸回数が多い、つまり新陳代謝が激しい人は特に刺されやすくなるのです。


普段は刺されにくい人でも、新陳代謝量が増える運動をした後や、ビールを飲んだ後は刺されやすくなります。


蚊が血液型物質の違いを感覚器で感じとって、吸血選択しているのではないと考えられています。


更に血液型物質は不揮発性物質の糖鎖であることからも、蚊が皮膚に降着する前に感知はできません。


切手は1960年インドネシア発行の「世界保健デー切手」で、ハマダラカが描かれています。





切手は1963年ドバイ発行の「マラリアとの闘い切手」の中の一枚で、沼地から発生するハマダラカが描かれています。




※ハマダラカは、止まった際に口吻、胸、腹部が一直線となり、地面に対して鋭角に止まり、かつ後肢を地面につけずに高く挙げる特徴のある止まり方をします※


切手は1983年ガボン発行の「有害昆虫切手」の中の一枚で、人の腕に止まって吸血しているネッタイシマカが描かれています。





2023年7月22日土曜日

切手に見るナイチンゲール物語-1.ナイチンゲール-

ローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)は、イギリスの看護師として有名で殆どの人はその名前を知っているはずです。


ナイチンゲールは、看護師として有名である以外に、統計学者としても有名です。


クリミア戦争(1853~1856クリミア半島などを舞台として行われた戦争)から帰国後、ナイチンゲールチームはバーリントンホテルに集結し、克明な報告書に基づき病院の状況分析を始め、数々の統計資料を作成し、病院改革改革のためにつくられた各種委員会にこの統計資料を提出しています。


このことからイギリスでは、ナイチンゲールを統計学の先駆者と称しています。


しかし、ナイチンゲールと言えばやはり"クリミアの天使"、"ランプの貴婦人"と呼ばれるように、その献身的な看護婦としての仕事ぶりにありますが、ナイチンゲールは一般的な白衣の天使のイメージとはほど遠く、理性と激情の人であり、一方で人を助ける事に対する異常とも言える執着心の持ち主であったそうです。


ナイチンゲールは"クリミアの天使"、"白衣の天使"との呼ばれ方を嫌い、「天使とは、美しい花をまき散らす者でなく、苦悩する者のために戦う者である」と述べています。


切手は2020年ポルトガル発行の「ナイチンゲール生誕200年小型シート」で、上部切手には若き日のナイチンゲールの肖像、下部切手には晩年のナイチンゲールの肖像、シート面上部には巡回の際に使用したランプが描かれています。





切手は2020年ウルグアイ発行の「ナイチンゲール生誕200年小型シート」で、切手にはナイチンゲールの肖像、シート面にはランプを持って巡回するナイチンゲールが描かれています。




切手は2020年北マケドニア発行の「ナイチンゲール生誕200年記念切手」で、ナイチンゲールの肖像が描かれています。




よもやま話-1.アテナとオリーブ-

ギリシャ神話において、女神アテナとオリーブは密接な関係があります。 アテナは、知恵、芸術、技術、戦争などを司る女神で彼女ゼウスの頭から生まれたとも、父親であるゼウスがティターン族の智慧の女神メティスを飲み込んだ際に、メティスの頭から生まれたともいわれています。 オリーブは、地中海...