ABO式血液型は、メンデルの遺伝の法則に従って遺伝しますので、 AB型とO型の両親からはA型とB型の子供しか出来ません。
しかし、これにも例外があり、AB型とO型の両親からAB型の子供が出来ることがあります。
A型遺伝子とB型遺伝子が同じ染色体に乗って遺伝することから、特殊な遺伝形式を取ります。
この特殊な遺伝形式は、(A2B3/O)と表現します。
AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、遺伝子型(A2B3/O)となり、AB型の子供が出来ます。
この場合のAB型は本来のAB型よりA型抗原とB型抗原が弱い性質を持っています。
AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、出来たAB型はA2B3型、A1B3型あるいはA2B型と呼びます。
また、この遺伝子型は(A2B3)と表現します。
普通のAB型の遺伝子は(AB)と表現します
このような特殊な遺伝をする血液型をcisAB(シスAB)と呼びます。
そして、本来のAB型をtransAB(トランスAB)と呼びます。
このcisAB(シスAB)の発現頻度は0.0012%と非常に稀です。
cisAB(シスAB)は、本来のメンデルの遺伝形式と異なるために、親子鑑定に大きな影響 を与えたり、産婦人科で新生児の取り違え騒動に発展することがあります。
このcisAB(シスAB)は1966年に大阪府赤十字血液センターの山口英夫博士が、AB型と O型の両親から、3人の子供全てがAB型という家系を始めて発見しました。
その後調査研究が続けられて、このcisAB(シスAB)は、徳島県と石川県で多く見られる ことも分かりました。
医学切手の鉄人も血液型の研究の中で、cisAB(シスAB)を数家系発見しています。
cisAB(シスAB)は、特殊な遺伝形式で、発現するだけで、病気などで発現することはありません。
メンデルの遺伝の法則にも例外があるケースを紹介しました。
切手は2000年オーストリア発行の「ABO式血液型発見100年記念切手」で、ABO式血液型をデザイ化しています。
切手は2002年アルバニア発行の、「献血の日記念切手」で、A、B、O型の血液型の人が描かれています。
切手は1974年日本発行の、「国際赤十字献血年記念切手」で、ローマ字の数は日本人の血液型の比率(A型40%・O型30%・B型20%・AB型10%)を表現しています。