新型コロナウイルスの感染抑制や感染しても重症化しにくくなるとの報告がされて話題になっているBCGワクチンについての記事です。
BCGは、フランス語のBacille de Calmette et Guerinの略語で、ウシ型結核菌 (Mycobacterium bovis) の実験室培養を繰り返して作製された結核菌、および、それを利用した結核に対するBCGワクチンの事です。
本来は前者にあたる細菌そのものを指す言葉ですが、一般社会や医学分野では後者を単に「BCG」と呼んでいます。
結核の感染予防策としてBCG接種がありますが、その実施状況は国によって大きく異なっています。
BCGを行うことのメリットは、小児の結核性髄膜炎と粟粒結核の頻度を有意に減少させることにありますが、成人の結核症を減少させるという医学的な根拠はありません。
いっぽうデメリットとしては、ツベルクリン反応を陽性化させてしまうため結核の診断が遅れることがあり、結核菌の頻度が低い地域ではBCGを行うメリットは低く、むしろデメリットが大きいと考えられ、中止または実施していない国は多く存在します。
国内外より、幼少期の BCGワクチンの接種の有無が各国の患者数や重症者数の多寡に関与しているのではないかという仮説が提唱されています。
一部の研究では、BCGワクチンが免疫系の活性化を促進し、他の感染症に対する非特異的な免疫応答を向上させる可能性があるとされていますが、BCGワクチンが新型コロナウイルスに対する直接的な保護効果があるかどうかはまだ確定されていません。
現時点では「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCG ワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされていません。
今後の研究に待つことになりそうです。
切手は、1952年キューバ発行の「結核制圧切手」で、結核予防マークの複十字章と子供の顔と共に「BCG」の文字が描かれています。
切手は、1956年ドミニカ共和国発行の「結核救済基金切手」で、結核予防マークの複十字章と共に「BCG」の文字が描かれています。
切手は、1957年ドミニカ共和国発行の「結核救済基金切手」で、結核予防マークの複十字章と「BCG」の文字を指さす人が描かれています。
切手は、1981年ウォリス・フツナ発行の「BCG発見60年記念切手切手」で、BCG接種の様子が描かれています。