戴帽式は、ヨーロッパの修道女がいばらの冠をかぶり、一生を神に仕える誓いをたてたことに由来すると言われており、ナースキャップは看護師のシンボル、キャンドルの灯はクリミア戦争での病院のランプを意味し、ナイチンゲールの献身的な看護の精神を表しています。
戴帽式では、ナースキャップをつけてもらった学生がナイチンゲール像から灯りを受け取り、そのキャンドルの灯りの中でナイチンゲール誓詞を朗読します。
そしてナイチンゲールの精神を受け継ぐ1人となった証の儀式で、式のはじめに戴帽生全員で「ナイチンゲール誓詞」を唱和します。
ナースキャップのかたちを整えるために使われている糊が、院内感染の原因になりかねないという理由から、現在の臨床現場では既にナースキャップをつけないという病院が圧倒的となっています。
また戴帽式を実施しない学校も出てきていて、日本の看護大学の大半は既に廃止していますが、まだまだ多くの看護専門学校(日本赤十字社看護学校・昭和大学医学部付属看護専門学校・杏林大学医学部付属看護専門学校など)ではまだこれを実施しているところもあります。
キャップなしでセレモニーをするため、戴帽式という呼び名を改めて「ナーシングセレモニー」や「戴灯式」、「宣誓式」などに変えているところもあります。
病院実習に行く前に、先生から学生へナースキャップを渡して看護師になるという意識を高め、同時に医療現場で働くという責任の重さを感じさせるためのセレモニーの戴帽式がなくなることは残念なことと私は思います。
現在でも頂帽式の残る看護学校は少なくなく、看護師としての精神はナースキャップをかぶる儀式によって受け継がれていると私は思っています。
切手は1964年台湾発行の「ナースの日記念切手」で、戴帽式でナイチンゲール像から灯りを受け取ったキャンドルの灯りをかざす若い看護師達が描かれていてます。
切手は1961年米国発行の「看護業務を称える切手」で、戴帽式でナイチンゲール像から灯りを受け取ったキャンドルの灯りから火をつけている様子が描かれています。
切手は1971年琉球発行の「看護教育25周年記念切手」で、看護学生とキャンドルが描かれています。