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2024年1月13日土曜日

医学切手徒然草-4.AB型とO型の両親からAB型の子供は出来るの?-

ABO式血液型は、メンデルの遺伝の法則に従って遺伝しますので、 AB型とO型の両親からはA型とB型の子供しか出来ません。


しかし、これにも例外があり、AB型とO型の両親からAB型の子供が出来ることがあります。


A型遺伝子とB型遺伝子が同じ染色体に乗って遺伝することから、特殊な遺伝形式を取ります。


この特殊な遺伝形式は、(A2B3/O)と表現します。


AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、遺伝子型(A2B3/O)となり、AB型の子供が出来ます。

この場合のAB型は本来のAB型よりA型抗原とB型抗原が弱い性質を持っています。


AB型(A2B3/O)とO型(O)の両親から、出来たAB型はA2B3型、A1B3型あるいはA2B型と呼びます。


また、この遺伝子型は(A2B3)と表現します。


普通のAB型の遺伝子は(AB)と表現します


このような特殊な遺伝をする血液型をcisAB(シスAB)と呼びます。


そして、本来のAB型をtransAB(トランスAB)と呼びます。


このcisAB(シスAB)の発現頻度は0.0012%と非常に稀です。


cisAB(シスAB)は、本来のメンデルの遺伝形式と異なるために、親子鑑定に大きな影響 を与えたり、産婦人科で新生児の取り違え騒動に発展することがあります。


このcisAB(シスAB)は1966年に大阪府赤十字血液センターの山口英夫博士が、AB型と O型の両親から、3人の子供全てがAB型という家系を始めて発見しました。


その後調査研究が続けられて、このcisAB(シスAB)は、徳島県と石川県で多く見られる ことも分かりました。


医学切手の鉄人も血液型の研究の中で、cisAB(シスAB)を数家系発見しています。


cisAB(シスAB)は、特殊な遺伝形式で、発現するだけで、病気などで発現することはありません。


メンデルの遺伝の法則にも例外があるケースを紹介しました。


切手は2000年オーストリア発行の「ABO式血液型発見100年記念切手」で、ABO式血液型をデザイ化しています。




切手は2002年アルバニア発行の、「献血の日記念切手」で、A、B、O型の血液型の人が描かれています。





切手は1974年日本発行の、「国際赤十字献血年記念切手」で、ローマ字の数は日本人の血液型の比率(A型40%・O型30%・B型20%・AB型10%)を表現しています。





2024年1月11日木曜日

知識の扉-16.指紋制度の導入に寄与した人物-

イギリス人のヘンリー・フォールズ (1843~1930)は、宣教師として1874年に来日し、キリスト教の布教の傍ら健康社(現在の聖路加国際病院)という医院を開設し医療活動に従事した医師で、彼は日本人が拇印を利用して個人の同一性確認を行っている事に興味を持ち研究を続け、1880年にイギリスの科学雑誌ネイチャーに、指紋に関する研究論文を発表しました。


このフォールズの研究発表がきっかけとなり、世界各国が指紋制度を導入することになります。


わが国警察における指紋制度は、警視庁において、1911(明治44)年4月1日に刑事課を新設し、課内に捜査、鑑識及び庶務係を設け、同時に指紋取扱規程を制定し、鑑識係において「指紋に関する事務」を担当することとなったのが最初です。


したがって2011年4月1日は、日本の警察指紋制度発足100周年にあたります。


切手は2011年発行の「日本警察指紋制度100周年オリジナルフレーム切手」で、シート面上部にはヘンリー・フォールズの写真とともに彼の功績と指紋捜査の説明が記載され、切手にはてい状紋・渦状紋・弓状紋の3種の指紋、フォールズの肖像、指紋採取が描かれています。




2024年1月9日火曜日

一番切手-22.梅毒感染予防を描いた世界最初の切手-

梅毒はペニシリンの登場によって一時期撲滅されるかと思われていましたが、ここ数年来世界的に流行していて、日本においても2023年は過去10年間で最多の梅毒す患者数が報告されています。

一度滅びかかった梅毒が再流行しているのです。


1930年代のフランスでも梅毒は、性病の一つとして流行していました。


この対策のために公衆絵衛生運動切手と銘打って、梅毒感染対策切手を発行したわけです。


切手は1937年フランス発行の「公衆絵衛生運動付加金付切手」と歌われていますが、梅毒感染予防切手で、女神が将来のフランスの国民を慈しむデザインで、梅毒感染予防を呼びかけています。

この切手は、梅毒感染予防切手として世界初のものです。




2024年1月6日土曜日

切手に見る医学と植物-8.柿-

柿は、「柿が色づくと医者が青くなる」といわれるほど栄養価の高い果物です。


ビタミンCをはじめ、カロテンや食物繊維などの健康成分が凝縮されています。


柿の実や葉は、殺菌作用や抗酸化作用など非常に高い栄養価を含んでいます。


しかし柿は、胃石を引き起こす可能性が極めて高いのです。


柿に含まれる「シブオール」と呼ばれる成分が胃酸と混ざることで固まり、食物繊維をくっつけてしまうと胃石(柿胃石)ができます。


そのことから胃酸が多い人や胃の働きが悪い人は柿の食べすぎには注意が必要です。


しかし柿は非常に栄養価が高いので、1日1個は食べれば良いとされています


干し柿に関しても1日1個が目安となります。


また柿は体温を下げる作用があることから、風邪をひいてしまった時に柿を食べるのは止めたほうが良いでしょう。


柿についてはも以下のエヒソードがあります。


豊臣秀吉の五奉行のひとりの石田三成(1560~1600)が関ヶ原の合戦で敗れ、処刑の直前に「水をくれ」と申し出たところ、「水はないが代わりに柿があるぞ」といわれ、それに対し石田三成は「柿は痰(胆)の毒だから食べない」と言った話があります。


この一言に役人は「これから死ぬ者がどうして体を気遣うのだ?」と嘲笑ったのに対して石田三成は、「汝らのような小者にとっては最もなことであるが、大志を持つものは最後の時まで命を惜しむものだ」と言って断ったという話が伝えられています


この言い伝えから現在でも柿は「痰に毒=体を冷やしてしまう」ので良くないというイメージが残ってしまったようです。


※東洋医学では痰は肺臓でできるのではなく、脾臓でできるとされています、ここで言う脾臓とは単なる脾臓だけでなく膵臓・胃腸などを含めた消化器全般を意味していて、痰は消化器系全体が悪くなって出てくることから、脾臓や胃腸に悪いことから痰の毒になるという意味と考えられます※


実際に柑橘系の果物にはカリウムが含まれており体を冷やす作用があることから、季節や食べるタイミングを間違えてしまうと、かえって体を冷やしすぎてしまい体調不良を引き起こしてしまうことがあるようです。


切手は1974年韓国発行の「フルーツ切手」の中の一枚で、柿が描かれています。




切手は2020年日本発行の「秋のグリーティング切手10面シート」の中の一枚で、柿が描かれています。





切手は2015年日本発行の「ふみの日切手」の中の一枚で、干し柿柿が描かれています。





切手は2013年日本発行の「野菜とくだものシリーズ切手」の中の一枚で、柿が描かれています。






切手は2007年日本発行の「関ヶ原の合戦-天下分け目の戦い-フレーム切手」で、上段に東軍の徳川家康、黒田長政、福島正則、井伊直政、本多忠勝、下段に西軍の石田三成、大谷吉継、島左近、宇喜多秀家、島津義弘の代表的な戦国武将10名が登場し、その中の一枚に石田三成が描かれています。




2024年1月4日木曜日

知識の扉-15.指紋の話-

指紋は、終生不変(一生涯変化しない)、万人不同(二人として同じ指紋は存在しない)という性質があります。


指紋には大まかに下記の4種類に分類されます。


1)渦状紋・・環状・うず巻状・二重てい形状などの隆線の左右に三角州を有する紋様で、日本人の約50%


2)蹄状紋・・蹄状線を含み、その流れの方向の反対側に三角州を有する紋様で、日本人の40%


3)弓状紋・・弓状腺で形成される紋様で、日本人の10%


4)変体紋・・渦状紋・蹄状紋・弓状紋のいずれにも属さない紋様で、日本人では1%以下


渦状紋・蹄状紋・弓状紋・変体紋の4種類があり、指紋は必ずこの4種類の中のどれかの形をしています。 


さらにこの4種類に右巻き、左巻きといったように細分化され全て合わせると20種類以上になります。


また指紋の種類の頻度は人種によっても異なります。


例えば日本人に一番多い渦状紋で40%ですが、アメリカやヨーロッパでは蹄状紋が一番多く60%となっています。


【おまけ】


世の中には極めて稀に、指紋のない人が存在します。


先天性指紋欠如疾患の人で生まれつき指紋が無い病気ということで、この病気は非常に珍しい病気の一種で、世界中で4つの家系しか確認できていない奇病です。


切手は1973年チリ発行の「インターポール50周年記念切手」で、世界地図の上に渦状紋の指紋が描かれています。





切手は1973年モロッコ発行の「インターポール50周年記念切手」で、インターポールの記章とともに蹄状紋の指紋が描かれています。




※インターポールとは国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization:ICPO)のことで、国際犯罪の防止を目的として世界各国の警察機関により組織された国際組織です※


2024年1月2日火曜日

地震お見舞い申し上げます。

2024年1月1日発生しました令和6年能登半島地震に際し、被災されました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。

被害のほどが案じられ、損害の軽微と一日も早い復旧を心より願っております。

2023年12月30日土曜日

一番切手-21.交通事故を描いた世界最初の切手-

交通事故とは、道路交通事故・鉄道交通事故・海上交通事故・航空交通事故の全てを含む事故を言います。


今回取り上げるのは、道路における自動車・自転車・歩行者などの間に発生した道路交通事故です。


日本国内では、1970年頃には16000人を超えていた交通事故死者数は、1996年以降10000人を下まわるようになり、2022年は2600人になり、それ以降は確実に減少していましたが、2023年上半期には前年度に比べて3%増加する傾向にあります。


今なお飲酒運転や無謀な運転で多くの尊い命が交通事故で失われていることには変わりありません。


交通事故を防ぐためには、自動車や自転車の運転者、歩行者がそれぞれ相手の立場に配慮し、思いやりの気持ちをもって行動する必要があります。


切手は1953年西ドイツ発行の「交通事故防止キャンペーン切手」で、交通事故にあって死亡した子供を抱きかかえ悲しむ母親が描かれています。


この切手は交通事故を描いた世界最初の切手です。




2023年12月28日木曜日

切手に見る医学と植物-7.モモ-

モモは甘くてとても美味しい果実ですが、モモの種には毒が含まれています。


モモの種の毒というのは種の殻の中に含まれている種子の中に含まれています。


モモの種の種子に含まれれいる毒は「アミグダリン」や「プルナシン」というシアン化合物です。


実際アミグダリン自体には毒はないといわれています。


アミグダリンはビタミンCとともに摂取すると毒性が高まるとの報告があります。


モモの種の種子が分解され発生したシアン化合物には青酸が含まれていますが、青酸も長期保存することで種子の中で分解され、人の体に害を与えることはありません。


種子に青酸が含まれていますが、果実には含まれていないので安心して食べてください。


青酸中毒とは軽度の場合はめまいや、喉や胃に灼熱感を覚えたり嘔吐や発汗などの症状が現れ、酷いときには神経障害による歩行困難、発熱、意識混濁、昏睡、呼吸困難に陥って死にいたることもあります。


アミグダリンは桃に存在するエムルシンによりどんどん分解されてなくなることから、よく熟れた桃を食べる分には全く心配入りません。


実際のこと モモの種は大きいので誤って種ごと食べてしまうことはないでしょう。


桃の種である桃仁に含まれるアミグダリンは1.5%ほどで、致死量に必要な桃仁は100個以上です。


青酸の致死量は、遊離した青酸の状態で経口摂取で200~300mgといわれていますからこの量を満たすためには多くのアミグダリンが必要になります、要するに実にすると100個から300個ほど必要です。


少量であれば死に至る程の効果は現れないので、モモの種である桃仁を1、2個食べても問題はありません。


モモの種の桃仁(とうにん)は漢方薬の生薬として利用されてい、血流改善や月経による悩み、便秘や肩凝、関節痛に効くとされていますが、素人判断で桃仁を摂取するのは避けて、漢方資格のある人その容量を処方して貰う必要があります。


※桃仁は桃の種の核を取り出して、日干ししたものです※


【余談】


孫悟空とモモ


西遊記に登場しますが、天上界にはモモが実る蟠桃会(ばんとうえ)がありが、最初のモモは3000年に1回実をつけるこのモモを食べると仙人になれる。


次のモモは6000年に1回実をつけるこのモモを食べると不老長寿になる。


最後のモモは、9000年に1回実をつけるこのモモを食べる天地が続く限り行き続けられる。


蟠桃会(ばんとうえ)の管理人になった悟空は、これらのモモを全部食べつくし、不老不死になります。


切手は1979年中国発行の「西遊記切手」の中の一枚で、天上界のモモ園のモモを食べる孫悟空が描かれています。




切手は1958年サンマリノ発行の「果物と農産物切手」の中の一枚で、美味しそうなモモが描かれています。





切手は1993年台湾発行の「台湾フルーツ切手」の中の一枚で、美味しそうなモモが描かれています。




切手は2007年マルタ発行の「マルタフルーツ切手」の中の一枚で、見事に実ったモモが描かれています。





 

切手は2014年中国発行の「フルーツ切手」の中の一枚で、見事に実ったモモが描かれています。







2023年12月26日火曜日

医学切手徒然草-3.人工がんを世界で最初に作り出した山極勝三郎-

山極勝三郎(1863~1930)は、ひたすらウサギの耳にコールタールを塗擦し続けるという地道な実験を助手の市川厚一(1888~1948)と共に、実に3年以上に渡って反復実験を行い、1915年にはついに世界で最初の人工癌の発生に成功します。


当時癌の発生原因は不明で、主たる説に「刺激説」「素因説」などが存在していいましたが、山極は煙突掃除夫に皮膚癌の罹患が多いことに着目して刺激説を採り、実験を続けて前者の「刺激説」の有力な根拠となったわけです。


1920年代において、山極による人工癌の発生より先駆けて、デンマークのヨハネス・フィビゲルが寄生虫による人工癌発生に成功したと発表しています。


当時からフィビゲルの研究は一般的なものではなく、山極の研究こそが癌研究の発展に貢献するものではないかという意見が存在していたにもかかわらず、1926年にはフィビゲルがノーベル生理学・医学賞を受賞することになります。


しかし1952年アメリカのヒッチコックとベルは、フィビゲルの観察した病変はビタミンA欠乏症のラットに寄生虫が感染した際に起こる変化であり、癌ではないことを証明しています。


従って現在、人工癌の発生、それによる癌の研究は山極の業績に拠るものと断言できます。


今日では山極と市川の研究こそがノーベル賞にふさわしい業績であったことが実証され、世界的に評価されています。


1919年、「癌腫の人工的発生研究」により学者として最高の帝国学士院賞(現在の学士院賞)を山極と市川はともに授与されることになります。


余談となりますが、山極の三男の山極三郎は北大農学部に進学し、市川に学び、市川の病気退官後、比較病理学教室の市川の職を引き継ぎ、同教室の二代目の主任教授となっています。


2016年12月17日、監督 近藤明男、遠藤憲一(山際勝三郎)、水野真紀(山際かね子)、岡部尚(市川厚一)キャストにより『うさぎ追いし -山極勝三郎物語-』が公開されています。


丁寧に描かれた知られざる偉人山極勝三郎と市川厚一の業績と人間性に感動を覚える作品に仕上がっています。


鑑賞する価値はありますので、ぜひともご覧ください。




人工がんを世界で初めて作り出した山極勝三郎の切手は、残念なことに未だ発行されていませんので、『第25回日本医学会議開催記念印』に描かれた彼の肖像と、がんができたときに読んだ彼の詩作『癌出来つ 意気昂然と 二歩三歩』が描かれたものを紹介しておきます。






よもやま話-1.アテナとオリーブ-

ギリシャ神話において、女神アテナとオリーブは密接な関係があります。 アテナは、知恵、芸術、技術、戦争などを司る女神で彼女ゼウスの頭から生まれたとも、父親であるゼウスがティターン族の智慧の女神メティスを飲み込んだ際に、メティスの頭から生まれたともいわれています。 オリーブは、地中海...