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2023年8月2日水曜日

切手に見る赤十字-8.存在しない赤十字社-

ここではすでに存在しない赤十字社を紹介します。


1.ソビエト連邦赤十字社・赤新月社同盟は、すでに存在していなく現在はロシア赤十字社となっています。


切手は1958年ソビエト連邦発行の「ソビエト連邦赤十字社・赤新月社同盟創立40周年記念切手」の中の一枚で、けが人に包帯を施す看護師の姿とともにソビエト連邦赤十字社・赤新月社同盟のマークが描かれています。




2.ドイツ赤十字


1864年に通称チャリテと呼ばれている、ベルリンの大学病院を元にドイツ赤十字は設立され、1929年に調印されたジュネーブ条約に基づき公的に認可された有志民間援助組織となり、1933年、ヒトラーがドイツで独裁体制を固めるにつれ、赤十字もナチスの支配下におかれることとなった。


1937年12月にはドイツ赤十字はナチスの法的認可団体の1つとなり、最終的に1938年末、ドイツ赤十字は内務省の社会福祉団体の1つとなり、事実上党の一部となった。


第二次世界大戦の終結後、アメリカ軍政府はナチスとそれに属する全ての組織を違法とする特別法を発布した。『五箇条法』と呼ばれる非ナチ化政策によってその他多くの組織と同じくドイツ赤十字は解散を命じられた。このため、ドイツ赤十字を含む社会福祉団体は戦後復興の中で、東西ドイツで個別に再設立されることとなります。



3.満州国赤十字社


※満州国は、1932年から1945年の間、満州(現在の中国東北部)に存在した国家※


満州国赤十字社は、建国当初の満州国では恩賜普済会が人道的救護活動を行っていましたが、満洲国の行政権が及ばない満鉄附属地では日本赤十字社満洲委員本部が活動を行っていました。


その後1937年に満鉄附属地が撤廃にともない、日本赤十字社が満洲国で活動することが不適切になったため、翌年の1938年10月1日に恩賜普済会と統合される形で満洲国赤十字社が設立されました。


しかし1945年の満洲国の滅亡と同時に満州国赤十字社は消滅し現在は存在していません。


切手は1938年満州国発行の「満州国赤十字社創立記念切手」で、地球の満州の地図に赤十字のマークが描かれています。




切手は1943年満州国発行の「満州国赤十字社5周年記念切手」で、担架を運ぶ当時の赤十字の看護師が描かれています。





4.沖縄赤十字社


※アメリカ合衆国による沖縄統治は、1945年(昭和20年)のアメリカ軍による沖縄占領から、1972年(昭和47年)5月15日の沖縄本土復帰に至るまでの27年間※


沖縄赤十字社は、1959年(昭和34年)に設立された財団法人で、戦後アメリカ合衆国による沖縄統治下の沖縄地域において赤十字活動を行う唯一の団体でした。


1959年(昭和34年)に、琉球政府より財団法人沖縄赤十字社が認可され、「赤十字」の名称が正式に使えるようになりましたが、1972年(昭和47年)5月15日の沖縄返還・本土復帰に伴い、沖縄赤十字社は解散登記をして日本赤十字社へ組織移行し、日本赤十字社沖縄県支部が設置されました。






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