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2023年12月8日金曜日

切手に見る医学と植物-5.トマト-

トマトを食べたら口の中が痒くなる人がいますが、この様な症状はアレルギーなのか、気になってしまいますよね。


トマトを食べたときに起こるかゆみなどの症状は「口腔アレルギー症候群」か「仮性アレルゲン」の2つの原因が考えられますが、口腔アレルギー症候群は食物アレルギーのひとつですが、仮性アレルゲンの場合はアレルギーではありません。


どちらかの判断は、受診して調べてもらわないとわかりません。


※仮性アレルゲン(薬理活性物質)とは、アレルギーと似た症状を引き起こす物質のことをいいます※


仮性アレルゲンはアナフィラキシーの重い症状を起こすことはまれといわれていますが、体調が悪いときには食べるのを避けるのが無難です。


トマトにはスギ花粉に含まれるアレルゲンと類似構造を持つタンパク質が含まれていると報告されており、スギ花粉症のある人は、トマトによりアレルギー症状を発症する可能性があります。


ただし、多くのスギ花粉症の人が、何ら症状なくトマトが食べられていますので、現状で症状が無ければ特に心配する必要はありません。


トマトにはアセチルコリンという物質が含まれており、これがアレルギーのような症状の原因になると考えられています。


加工品であるトマトケチャップやトマトジュース、加熱したトマトではアレルギーは起こらないとされていますが、これらも絶対安心というものではありません、最近トマトジュースによるアレルギーの報告がありました。


※トマトケチャップで、アレルギー反応が出る場合は、ケチャップの原材料には「水あめ」が使われている場合があります、水あめの原材料には大麦の麦芽が使用されていることから小麦に過敏に反応する時期は、加工品の原材料に含まれる「水あめ」は要注意です※


切手は2014年日本発行の「野菜とくだものシリーズ 第2集」の中の一枚で、見事に熟したトマトが描かれています。





切手は1965年モントセトラ発行の「農産物切手」の中の一枚で、見事に熟したトマトが描かれています。




切手は2007年マルタ発行の「マルタのフルーツ切手」の中の一枚で、見事に熟したトマトが描かれています。




切手は2003年イギリス発行の「フルーツ・野菜小型シート」の中の一枚で、見事に熟したトマトが描かれています。

 



2023年12月6日水曜日

知識の扉-11.男性の排尿について-

男性は特に加齢とともに排尿時の尿の勢いがだんだんと弱くなってきます。


これを排尿障害と言います。


排尿症状は、尿を出すことに問題がある症状で、「尿が出にくい」、「尿の勢いが弱い」、「尿をするのにお腹に力をいれる」などが挙げられます。


尿が出にくい・尿の勢いが弱い・尿をするのにお腹に力を入れるといった排尿症状は、膀胱から尿道出口への尿の通過が妨げられる通過障害、あるいは膀胱がうまく収縮できない膀胱収縮障害がある場合に起こります。


通過障害で最も頻度の高いものは、男性では前立腺肥大症で、膀胱収縮障害は男女とも神経因性膀胱で起こります。


また、膀胱収縮障害は、メタボリック症候群に伴う膀胱の血流障害や加齢による膀胱の老化現象としても起こります。


前立腺は膀胱の出口で尿道を取り囲む臓器で精液の一部を作り出します、この前立腺が肥大すると尿道を圧迫して、尿の通過障害をきたし、排尿症状を引き起こすとともに、頻尿、夜間頻尿、残尿感などの蓄尿症状や排尿後症状を引き起こします。


※前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を担っています※


前立腺肥大症は加齢とともに罹患率が増加し、70歳では70%以上の男性が前立腺肥大となっており、その内25%の人が治療を必要とする状態となっています。


日本国内でも最近は前立腺がんの罹患率が急速に増加していることから、前立腺肥大と前立腺がんは関連のない病気ですが、男性の場合排尿困難が見られるときには前立腺特異抗原PSAの検査を受けることをおすすめします。


切手は2019年ベルギー発行の「小便小僧400年記念切手」で、勢いよく排尿する小便小僧が描かれています。




切手は1958年ハンガリー発行の「ブリュッセル万国博覧会開催切手」の中の一枚で、ブリュッセルの小便小僧が描かれています。






切手は1992年ベルギー発行の「観光名所切手」の中の一枚で、ブリュッセルの小便小僧が描かれています。




切手は2015年ベルギー発行の「外信用無額面永久保証切手」の中の一枚で、ベルギーの小便小僧が描かれています。




切手は2008年徳島県三好市発行の「Pスタンプ秘境・夢・ロマンの旅三好市」祖谷の小便小僧が描かれています。




切手は2011年ベルギー発行の「ベルギーのハイライト切手」の中の一枚でアトミウムと小便小僧が描かれています。





2023年12月4日月曜日

切手に描かれたモンスター-17.魔女-

魔女とは古いヨーロッパに伝わる伝説で、妖術を使い奇跡を引き起こす人を指していましたが、キリスト教下では悪魔と契約を結び邪悪な術を行う人々を指します。


古代においては精霊や神などの力を得て、呪術や医療行為などに携わった女性でしたが、キリスト教の勢力拡大によって魔女の良いイメージは邪悪なものと変えられていきます。

西洋の童話などに頻繁に登場する魔術、呪術、妖術などを使う女性の魔女のイメージは鉤鼻の醜い老婆が黒い三角帽・黒マント姿で空を飛び回り悪さをするというイメージは、魔女狩りの歴史の中で固定化されたと言われています。


その後15世紀、それまでの単なる悪い呪術師とはことなる悪魔と契約を結んで邪悪な力を得て災いをなす存在という概念に変わり、魔女とは悪魔に従属する人間であり、悪霊(デーモン)との契約および性的交わりによって、超自然的な魔力や人を害する軟膏を授かった者とされ、これらの魔女を狩る魔女裁判が盛んに行われ瑠葉になり、多くの人が無実の罪を被せられて死刑に処せられました。


切手は2001年モザンビーク発行の「ゴヤ絵画小型シート」で、スペインの画家ゴヤ(1746~1828)の『魔女の夜宴(魔女の集会) (Aquelarre)』で、魔女たちが牡山羊の姿をした悪魔への生贄として赤子を差し出す魔女たちが描かれています。




切手は2018年スロベニア発行の「スロベニアの迷信と魔法切手」の中の一枚で、ほうきに乗って空を飛ぶ魔女が描かれています。




切手は2004年ベルギー発行の「ハロウィン切手」の中の一枚で、魔女が描かれています。




切手は2004年フランス発行の「ハロウィン切手」で、ほうきに乗って空を飛ぶ魔女が描かれています。





切手は2022年イギリス領ガーンジー島発行の「2022年ヨーロッパ切手 神話と伝説」の中の一枚で、空を飛び回る魔女が描かれています。 




2023年12月2日土曜日

一番切手-18.前立腺がんを描いた世界最初の切手-

前立腺がんは、男性特有のがんの一種で前立腺肥大症とともに、中高年の男性において注意すべき前立腺の病気のひとつです。


前立腺がんの発生には男性ホルモンが関与していると言われており、加齢によるホルモンバランスの変化ががん発生に影響しているものと考えられています。


前立腺がんは他の臓器のがんとは異なり、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、ほかのがんに比べて治りやすいがんですが、初期には自覚症状がほとんどないことから、発見が遅れることが多いです。


発見が遅れて進行すると最終的には骨やほかの臓器にまで転移することがあるため、早期に発見し、適切な治療を行うことが大切になります。


早期の前立腺がんには、がん特有の症状はなく、がんの進行とともに尿がでにくい・排尿時に痛みを伴う・尿や精液に血が混じるなどの症状がみられる様になります。


近年の高齢化、食生活の欧米化と検査精度の向上による正確な診断により、日本人の前立腺がん患者数は確実に増えています。


2020~2024年(年平均)には前立腺がん罹患数は105,800人となり、男性がんのうち、第一番目の罹患数になると予測されています。


更に前立腺がん死亡数は、2020~2024年(年平均)には14,700人となり、2000年の約1.8倍になると予測されています。


切手は1999年米国発行の「前立腺がん認知切手」で、男性を象徴するマークが描かれています。


前立腺がんを描いた世界初の切手と思います。





2023年11月30日木曜日

切手に見る医学と植物-4.イチジク-

 イチジクには、「ペクチン」と呼ばれる水溶性の食物繊維が多く含まれています。


この水溶性の食物繊維は、硬くなった便に水分を与え腸内での動きをスムーズにして、排便を促して便秘を解消してくれますが、便が水分を多量に吸って柔らかくなり過ぎて水っぽくなると、お腹が緩くなって下痢を引き起こします。


腸が敏感な体質の人は、イチジクの食べ過ぎには特に注意して下さい。


チジクに含まれる水溶性の食物繊維のペクチンは、腸内で糖質や脂質、その他の老廃物などを吸着して、吸収を遅らせたり阻害したりしますが、必要以上に摂取すると、ビタミンやミネラルなど体に必要な栄養素の吸収までも阻害してしまいます。


また、イチジクにはアクの成分であるベストアルデヒドという物質が含まれていますが、これを少量摂取する分には問題ありませんが、摂り過ぎると嘔吐や胃痛を引き起こす可能性があります。


ベストアルデヒドは未熟なイチジクや多く含まれていますが、完熟したイチジクにも含まれているので食べ過ぎると、お腹の調子が悪くなります。


ではイチジクはどのくらい食べればよいのでしょうか?


およそですが4個までにとどめたほうが良いと言われています。


とにか体調の悪いときには食べる個数を控えるのが無難です。


イチジク皮の部分にはタンパク質を分解する成分フィシンを含んでいるので、キウイフルーツやパイナップルを食べてかゆくなる人がいるように、いちじくの皮を食べると同じような症状が表れる場合があります。


イタリア料理などでイチジクが使われていたのは、イチジクのフィシンが肉のタンパク質を溶かすことで、肉料理が軟らかくなるためです。


フィシンは、タンパク分解酵素法のフィシン法として赤血球を処理して輸血検査に利用されています。


粉末のフィシンは粘膜刺激性が強く取り扱いには注意が必要です。


切手は2009年ブラジル発行の「フルーツ切手」の中の一枚で、イチジクが描かれています。




切手は2007年マルタ発行の「マルタのフルーツ小型シート」の中の一枚で、イチジクが描かれています。




切手は2009年チュニジア発行の「チュニジアのフルーツ切手」の中の一枚で、イチジクが描かれています。




2023年11月28日火曜日

知識の扉-10.食中毒と食あたり-

食中毒は医学用語で、食あたりは一般用語のため厳密な違いはありませんが、あえて分けるとすれば下記のようになります。


食あたりとは、一般的には感染しないような弱い菌、雑菌が原因で起こります。


食べ物は無菌ではなく何らかの細菌は付着していますので、風邪を引いて抵抗力が弱っていたり胃腸が荒れていたりする場合などに、弱い菌に感染し発症してしまうのが食あたりとも言えます。


食あたりは複数人で弱い菌や雑菌が付着した同じ食品を食べた場合でも、抵抗力が弱った人だけが発症し食べた人全員が発症することはありません。


食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌・ウイルス・有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、下痢・腹痛・発熱・はきけなどの症状が出る病気のことを言います。


複数人で原因菌・ウイルスが付着した同じ食品を食べた場合、ほとんどの人が発症します。


発生件数は多少の増減はありますが年間1,000件前後で患者数は15000人前後となっています


食中毒を引き起こす原因によって病気の症状や食べてから病気になるまでの時間は多種多様です。


またひどいときには命を落とすこともあります。


食中毒の予防は、細菌の場合は以下の三点につきます。


細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「なくする」ということになります。


ウイルスは、食品中では増えませんがウイルスはごくわずかな汚染によって食中毒を起こすことから、ウイルスを食品に「つけない」を確実に実行するためには、調理者はもちろんのこと、調理器具、調理環境などの調理場全体がウイルスに汚染されていないことがきわめて重要になります。


ウイルスに汚染されていない調理環境をつくるには、調理場内にウイルスを「持ち込まない」、仮に持ち込んだとしても、それを「ひろげない」、「殺す」ことが大切です。


切手は2017年アルジェリア発行の「食中毒の予防切手」で、種々の食品と料理と食中毒で腹を抑える男性が描かれています。 




2023年11月26日日曜日

切手に描かれたモンスター-16.ガメラ-

ガメラは、大映が1965年に公開した特撮映画『大怪獣ガメラ』に登場する巨大な亀の姿をした架空の怪獣です。


2006年までに12作品が制作されています。


特に平成三部作平成7年(1995)『ガメラ 大怪獣空中作戦』・平成8年(1996)『ガメラ2 レギオン来襲』・平成11年(199)『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』ができが良く人気を博しました。


切手は2006年日本発行の「日本映画Ⅱ現代の名作」の中の一枚で、『宇宙の守護者(1995年)』に登場するガメラが描かれています。




切手は2006年日本発行の「ガメラ生誕40周年Pスタンプ」で、シート面にはガメラの戦闘シーン、切手には歴代10作品が描かれています。






2023年11月24日金曜日

一番切手-17.アルポート症候群を描いた世界最初の切手-

アルポート症候群は慢性腎炎、難聴、眼合併症を呈する症候群で、しばしば末期腎不全へと進行します。


アルポート症候群はIV型コラーゲンの異常に基づく先天性疾患です。


南アフリカ人医師のセシル・アルポート(1880~1959)が1927に家族性 に慢性腎炎を認めるイギリス人の大家族から初めて発見しました


欧米では5,000~10,000人に1人の割合で発症すると報告されており、我が国においては、1,200人程の患者が存在すると推測されています。


切手は2019年マケドニア発行の「アルポート症候群認識切手」で、アルポート症候群で侵される眼球・腎臓・耳が描かれています


アルポート症候群を表した世界最初の切手です。




2023年11月22日水曜日

切手に見る医学と植物-3.ナンテン-

ナンテン(南天)は、"難を転ずる"という意味があり縁起のよい植物として、庭の鬼門に植えると火災除けになると言われています。


お赤飯の上にナンテンの葉を載せることがありますが、葉に含まれる微量のチアン水素には防腐効果があると言われ、決して飾りだけの目的だけではないようです。


ナンテンの乾燥した果実は、南天実(なんてんじつ)と呼ばれ、昔から薬用植物として健胃、解熱、鎮咳などに使われてきました。


ナンテンの実の主成分はドメスチンと呼ばれるアルカロイドで、せきを鎮める効果があり、のど飴として市販されています。


更にナンテンの葉は、南天葉(なんてんよう)という生薬として、健胃、解熱などに効果があります。


ナンテンの変種で果実の色がやや黄色をおびた白色のものがあり、シロミナンテンと呼ばれていますが、薬用にはシロミナンテンの方が効き目があると俗にいわれていますが、赤実も白実も効き目には全く差はありません。


切手は1962年日本発行の「第3次動植物国宝切手」の中の一枚で、ナンテンが描かれています。




切手は2017年日本発行の「和の文様シリーズ切手第2集」の中の一枚で、ナンテン文様とともにナンテンが描かれています。




はがきは2010年日本発行の「年賀はがき」で、ナンテンが描かれています。




はがきは2020年日本発行の「絵入りはがき2020冬柄」で、ナンテンが描かれています。




2023年11月20日月曜日

知識の扉-9.チョコレートは冠動脈疾患リスクのを低下させる-

これまで、複数の臨床試験でチョコレートの摂取は血圧や血管内皮機能に良い影響を与えることが報告されています。


更に心血管疾患リスクを低下させる可能性を示したメタ解析の報告もありますが、チョコレートの摂取が冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)リスクに与える影響に関しては不明でした。


※冠動脈疾患のほとんどの原因は、冠動脈の内壁に蓄積したコレステロールなどのアテローム動脈硬化で心臓のみならず別の部位の動脈にも影響を及ぼし、冠動脈のけいれんによって狭心症やクゅぅセイ心筋梗塞が引き起こされます※ 


今回の研究では、「週1回以上のチョコレート摂取が心血管を健康な状態に保つ一助となることが示された」と指摘し、チョコレートにはフラボノイドやメチルキサンチン、ポリフェノール、ステアリン酸といった抗炎症作用やHDLコレステロールを増やす作用を有する物質が含まれている」ことからが冠動脈疾患リスクの低下に寄与する可能性を示唆しています。


それではどのようなチョコレートを食べればよいのでしょうか?


今回の研究ではどのようなタイプのチョコレートが良いのか、最適な摂取量がどの程度なのかについては検討されなかったため、報告者はこれらの点について「今後さらなる研究が必要」と述べています。


当然のことながら食べ過ぎには注意すべきだと強調し、「特に糖尿病や肥満の人が市販されているチョコレート製品を摂取する際は、カロリーや糖分、乳脂肪分の含有量に留意する必要がある」とも述べている。


参考文献


European Journal of Preventive Cardiology


切手は2013年ベルギー発行の「ベルギーチョコレート小型シート」で、5種類のベルギーチョコレートが描かれています。




この切手は味だけでなく香りもチョコレート風味にできています。


確かに手に取るとチョコレートの香りが漂ってきます。


切手は2022年フィンランド発行の「ファッツェルチョコレート100年記念切手」の中の一枚で、ファッツェルチョコレートが描かれています。




切手は2006年エストニア発行の「製菓産業200年記念切手」で、色々なチョコレートが描かれています。





切手は2009年フランス発行の「チョコレートシート切手」で、まるで本物と見間違えるようなチョコレートが描かれていますが、この切手もチョコレートの甘い匂いが漂ってきます。





よもやま話-1.アテナとオリーブ-

ギリシャ神話において、女神アテナとオリーブは密接な関係があります。 アテナは、知恵、芸術、技術、戦争などを司る女神で彼女ゼウスの頭から生まれたとも、父親であるゼウスがティターン族の智慧の女神メティスを飲み込んだ際に、メティスの頭から生まれたともいわれています。 オリーブは、地中海...