ブログ内検索

2023年8月23日水曜日

一番切手-8.献血を描いた世界最初の切手-

現在までに献血推進を呼びかけた切手が世界各国から数多く発行されています。


この主旨は、献血を呼びかける切手を発行することにより、国民に献血への感心を持たせて一人でも多くの人に献血をしてもらうことにあります。


今回は、世界で最初に献血を呼びかけた切手を紹介しておきます。


切手の紹介は、『Blood Transfusion(輸血)』となっていますが、実際は献血推進の赤十字切手です。



切手は1942年ハンガリー発行の「赤十字付加金切手」で、血液を提供している人(座って左手から採血されている)の姿を描いています。




付加金とは、切手の額面に寄付金を加算して発行して、寄付金を赤十字に寄付する目的で発行される切手です。


2023年8月21日月曜日

切手に描かれたモンスター-5.吸血鬼のモデル-

ルーマニアのワラキア公国の君主ヴラド・ツェペシュ公爵(1431-1476)は別名ドラキュラ公または串刺し公として知られており、吸血鬼のモデルとも言われています。


彼自身生前は好んでドラキュラとサインしていたと言われています。


彼は、オスマン・トルコと戦い、勝利を収め捕虜2万人を生きたまま裸にして串指しにしたと言われています。


ルーマニア独立のために戦った英雄として再評価されている。


切手は1959年ルーマニア発行の「ブカレスト建設500年記念小型シート」でドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュ公爵の肖像とともに串刺し処刑書が描かれています。





切手は1976年ルーマニア発行「文化の日記念切手」で、ドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュ公爵が描かれています。



切手は1997年ルーマニア発行の「ヨーロッパ切手」で、ドラキュラ伯爵のモデルになったワラキア国王ヴラド三世(通称ヴラド・ドラキュラ)と城が描かれています。





2023年8月19日土曜日

切手に見るナイチンゲール物語-6.戴帽式(Capping ceremony)-

戴帽式は、ヨーロッパの修道女がいばらの冠をかぶり、一生を神に仕える誓いをたてたことに由来すると言われており、ナースキャップは看護師のシンボル、キャンドルの灯はクリミア戦争での病院のランプを意味し、ナイチンゲールの献身的な看護の精神を表しています。


戴帽式では、ナースキャップをつけてもらった学生がナイチンゲール像から灯りを受け取り、そのキャンドルの灯りの中でナイチンゲール誓詞を朗読します。


そしてナイチンゲールの精神を受け継ぐ1人となった証の儀式で、式のはじめに戴帽生全員で「ナイチンゲール誓詞」を唱和します。


ナースキャップのかたちを整えるために使われている糊が、院内感染の原因になりかねないという理由から、現在の臨床現場では既にナースキャップをつけないという病院が圧倒的となっています。


また戴帽式を実施しない学校も出てきていて、日本の看護大学の大半は既に廃止していますが、まだまだ多くの看護専門学校(日本赤十字社看護学校・昭和大学医学部付属看護専門学校・杏林大学医学部付属看護専門学校など)ではまだこれを実施しているところもあります。


キャップなしでセレモニーをするため、戴帽式という呼び名を改めて「ナーシングセレモニー」や「戴灯式」、「宣誓式」などに変えているところもあります。


病院実習に行く前に、先生から学生へナースキャップを渡して看護師になるという意識を高め、同時に医療現場で働くという責任の重さを感じさせるためのセレモニーの戴帽式がなくなることは残念なことと私は思います。


現在でも頂帽式の残る看護学校は少なくなく、看護師としての精神はナースキャップをかぶる儀式によって受け継がれていると私は思っています。


切手は1964年台湾発行の「ナースの日記念切手」で、戴帽式でナイチンゲール像から灯りを受け取ったキャンドルの灯りをかざす若い看護師達が描かれていてます。




切手は1961年米国発行の「看護業務を称える切手」で、戴帽式でナイチンゲール像から灯りを受け取ったキャンドルの灯りから火をつけている様子が描かれています。





切手は1971年琉球発行の「看護教育25周年記念切手」で、看護学生とキャンドルが描かれています。




切手は1964年台湾発行の「ナースの日記念切手」で、戴帽式でナイチンゲール像から灯りを受け取ったキャンドルの灯りをかざす若い看護師とナイチンゲールが描かれていてます。





姫路赤十字看護専門学校令和3年戴帽式の写真をお借りして紹介させていただきますので、厳粛な戴帽式の雰囲気を味わって下さい。



写真をお借りしたことを姫路赤十字す看護専門学校の関係者様にお礼申し上げます。

2023年8月17日木曜日

切手に見るヘラクレス物語-10.12の試練その9.ヒッポリュテの帯の入手-

ヒッポリュテは、ギリシア神話に登場するアマゾンの女王で彼女の持つがアレースの帯を求めての旅です。


この帯はヒッポリュテが父である軍神マルスから贈られたものです。


ヒッポリュテはヘラクレスに恋をし自分を愛してくれるならと、帯を譲ってくれますが、執念深いヘラがアマゾネス族に変装しヘラクレスはヒッポリュテの暗殺を計画していると噂を流したことから、アマゾネス族対ヘラクレスの戦いが勃発し、ヒッポリュテは戦死しますが、ヘラクレスは帯を持って逃げ、無駄な流血と共に幕引きとなります。


切手は1985年モナコ発行の「赤十字切手-ヘラクレスの試練-」の中の一枚で、ヒッポリュテの帯の入手の光景が描かれています。




台風7号による被害のお見舞い

 このたびの台風7号により被災された方々に心からお見舞い申しあげます。


また復興にご尽力されている皆様には、心から感謝申し上げます。


早期の復旧をお祈り申し上げます。

2023年8月15日火曜日

切手に見る原理・法則・定理-12.質量保存の法則-

質量保存の法則は、質量不変の法則とも言われ、化学反応の際には反応する物質の全質量と生成する物質の全質量はまったく等しく,反応の前後において物質の全質量は変わらないという法則です。

この法則を解りやすく言うと『化学反応の前後において,物質の総質量は変化しない』ということになります。


例をあげますと炭素と酸素から二酸化炭素が生成する場合、


C+O2  → CO2 


この反応において、炭素12gと酸素32gを反応させると二酸化炭素が44g生成します。


反応前は炭素12gと酸素32gで全体の質量は44g、反応後は二酸化炭素が44gあるので全体の質量は44gであり、反応の前後で全体の質量が変わっていないことになるのです。


 この法則は1774年パリ出身の化学者アントワーヌ=ローラン・ド・ラヴォアジエ(1743~1794)により発見されています。


その他に彼は酸素の命名などにより"近代化学の父"と称されています。


1789年のバスティーユ牢獄襲撃から始まったフランス革命で、一時期、王制政府の下で徴税請負人を務めていた経験が「市民を苦しめる王の手先であった」として、革命政府から非難されたのです。


フランス全土に粛清の嵐が吹き荒れる中、彼は即決裁判によって死刑判決を受け、その日のうちに断頭台の露と消えました。


同時代のフランスの数学者で天文学者でもあったジョゼフ=ルイ・ラグランジュ(1736~1813)は、「ラヴォアジエの頭を切り落とすのは一瞬だが、彼と同じ頭脳を持つ者が現れるには100年かかるだろう」と、その早すぎる死を惜しみました。


切手は2011年トーゴ発行の「国際化学年小型シート」で、シート面には左から放射性元素(ポロニウムとラジウム)の発見者マリー・キュリー(1867~1934)、原子説を提唱したジョン・ドルトン(1766~1844)、元素周期表の作成者メンデレーエフ(1834~1907)がそして切手面には実験をするラボアジェが描かれています。





切手は2011年ギニアビサウ発行の「国際化学年小型シート」で、シート面にはラボアジェが描かれています。





切手は1990年モルディブ発行の「絵画切手」の中の一枚で、フランスの新古典主義の画家であったジャック・ルイ・ダヴィッド(1748~1825)が1788年に制作した絵画『アントワーヌ・ラヴォアジエと妻の肖像』が描かれています。





2023年8月14日月曜日

一番切手-7.人工衛星を描いた世界最初の切手-

1957年10月4日ソ連は世界で最初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功しました。


ところが世界最初の人工衛星を描いた切手を発行したのはソ連ではなくイタリアです。


1956年にイタリアが発行した国際宇宙飛行会議切手には地球を回る人工衛星が描かれています。


一方世界最初の人工衛星打ち上げに成功したソ連は、イタリアに遅れて1957年11月5日に世界最初の人工衛星打ち上げを記念した切手を発行しています。


切手は1956年イタリア発行の「第7回国際宇宙会議開催記念切手」で、地球を回る人工衛星が描かれています。




切手は1957年ソ連発行の「初の人工衛星打ち上げ記念切手」で、地球を回る人工衛星スプートニクス1号が描かれています。




2023年8月12日土曜日

切手に描かれたモンスター-4.吸血鬼伝説について-

古来よりヨーロッパでは吸血鬼伝説が各地で伝わっています。


吸血鬼伝説のモデルとなった人物も多く存在しています。


吸血鬼は、夜な夜な人の血液を求めてさ迷い、人の生き血を吸うことにより永遠の命を得ると伝えられています。


日光を嫌い昼間は墓地や洞窟などに身を隠し夜になると人の生き血を求めてさまよいますが、本来い日光を浴びると灰になることはなく、これは近年の映画作品において作られたものです。


古来より人の血液は生命の源と考えられ、古代エジプトでは人の血液の風呂に入ったり、古代ローマでは人の血液を飲むことにより若返ると考えられていました。


永遠の命を得るために人の血液を吸血する考え方が存在しても不思議ではありません。


死後も人間の生血を吸って生きながらえますが、不死身の吸血鬼も心臓に杭を打たれて死ぬ運命にあります。


切手は2004年ルーマニア発行の「ドラキュラ切手」で心臓に杭を打たれて滅びるドラキュラが描かれています。





2023年8月10日木曜日

切手に見るナイチンゲール物語-5.ナイチンゲール誓詞-

現代看護の創始者フローレンス・ナイチンゲールの偉業を讃え、1893年アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にあるハーパー病院のファーランド看護学校 の校長リストラ・グレッターを委員長とする委員会で"ヒポクラテスの誓い"の内容を元に作成されたものです。


『ナイチンゲール誓詞(せいし)』とは、一言で表すと「看護従事者に対する倫理規範」のことです。


ナイチンゲール誓詞には、「患者の命を救うためにあらゆる手段を尽くす」という医療従事者としての心構え、「患者のプライバシーを尊重する」、「常に成長を目指して努力を続ける」という職看護師としての姿勢まで定められています。


『ナイチンゲール誓詞』は現在でも、医療・看護教育の現場で規範として活用されることが多く、アメリカの看護教育現場では、戴帽式や卒業式などのセレモニーで『ナイチンゲール誓詞』が活用されている一方、ナイチンゲールの母国イギリスでは、アメリカで作られた「ナイチンゲール誓詞」はあまり好まれていないようで使用されていません。


現代の医療現場においてもほとんどの国の看護教育で、ナイチンゲールの遺した文書や、彼女の思想に基づく教材が使われています。


この有名な誓詞は、実はその作成や編集にフローレンス・ナイチンゲール自身は携わっていません。


されどナイチンゲール誓詞の内容自体はナイチンゲールの考え方と合致する点も多いことから、『ナイチンゲール誓詞』という形で、看護師の倫理規範を定めることに貢献した」という意味ではやはりナイチンゲールの功績だと言えるのかもしれません。


実際ナイチンゲールは、彼女の"看護覚え書き"の中で、ナイチンゲール誓詞に対して、「私たちがこの道に入るにあたって、”誓い”などというものは必要ない」「厭世や失恋などの俗物的な理由とは違う、まったく別の理由で看護の道を志していると自覚するために、わざわざあえて『誓い』を立てる必要があるのか」「看護師という職業を、そんな次元の低いものと見なしているのだろうか」と書き記し誓詞に対してまっすぐな苦言を呈しています。


【ナイチンゲール誓詞一文】


われは此処に集いたる人々の前に厳かに神に誓わん。

わが生涯を清く過ごし、わが任務を忠実に尽くさんことを。

われは総て毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく又知りつつこれをすすめざるべし。

われはわが力の限りわが任務の標準を高くせんことを努むべし。

わが任務にあたりて、取り扱える人々の私事のすべて、わが知り得たる一家の内事のすべて、われは人に洩らさざるべし。

われは心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身を捧げん。


切手は1939年ベルギー発行の「国際赤十字創立75周年記念切手」の中の一枚で、若き日のナイチンゲールの肖像が描かれています。





切手は1983年イギリス領ヴァージン諸島発行の「看護週間切手」の中の一枚で、ランプを持つ端正なナイチンゲールの肖像が描かれています。





切手は2020年ジブラルタル発行の「ナイチンゲール生誕200年記念切手」で、若き日のナイチンゲールの肖像が描かれています。




 

2023年8月8日火曜日

切手に見るヘラクレス物語-9.12の試練その8.ディオメデスの人食い馬の退治-

ディオメデスの人喰い馬は、ギリシア神話に登場する怪物的な馬で軍神アレスが息子にしてトラキア王ディオメデスに与えたとされる四頭の怪馬で、その名前はポダルゴス(速いもの)、ラムポーン(輝くもの)クサントス(黄色いの)、ディーノス(恐ろしきもの)と呼ばれていました。


4頭共に牝馬であり、人を食べなど獰猛かつ巨大でした。


ヘラクレスはこの人喰い馬達を奪取することになった。


ヘラクレスが怪馬達を奪取しに来ると知ったディオメデスは、暗殺者を送り込むが全員返り討ちにされそしてヘラクレスは怪馬達を全て生け捕りにします。


このことを知ったディオメデスは激怒し、自ら軍を引き連れて怪馬達の奪還しようとしますが、ヘラクレスは引き連れていた従者の青年に怪馬達を見張らせ、たった一人でディオメデスの軍に立ち向かいディオメデスを討ち取ります。


その後ヘラクレスが戻ってみると、従者は人喰い馬達に貪り喰われていた為、怒ったヘラクレスはディオメデスの死体を怪馬達に食べさせます、その結果怪馬達はすっかり大人しくなったということです。


切手は1984年モナコ発行の「赤十字切手-ヘラクレスの試練-」の中の一枚で、ディオメデスの人食い馬の退治光景が描かれています。






よもやま話-1.アテナとオリーブ-

ギリシャ神話において、女神アテナとオリーブは密接な関係があります。 アテナは、知恵、芸術、技術、戦争などを司る女神で彼女ゼウスの頭から生まれたとも、父親であるゼウスがティターン族の智慧の女神メティスを飲み込んだ際に、メティスの頭から生まれたともいわれています。 オリーブは、地中海...