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2023年7月22日土曜日

切手に見るヘラクレス物語-6.12の試練その5.アウゲイアスの家畜小屋掃除-

 エリスの豊かな土地を治めていたアウゲイアス王は、全部で3000頭にもおよぶ数多くの家畜を所有していましたが、この家畜小屋は30年間にわたって一度も掃除がされずに荒れ放題になっていたため、ヘラクレスのことを嫌っていたエウリュステウスは、彼に対する嫌がらせの意味も込めて、そうした家畜の汚物にまみれた不潔な家畜小屋の掃除をせます。

ヘラクレスは、彼が持つ怪力を用いて、この家畜小屋の近くを流れるアルペイオスとペーネイオスと呼ばれる二つの川の流れをねじ曲げてしまい川を流れる水の力を利用して、家畜小屋にたまっていた汚れを一気に洗い流してしまうことによって、この難題を見事に解決してしまいます。


切手は1983年モナコ発行の「赤十字切手-ヘラクレスの試練-」の中の一枚で、アウゲイアスの家畜小屋掃除を行ったヘラクレスが描かれています。





2023年7月21日金曜日

一番切手-2.世界で最初に犬を描いた切手-

今回は世界で最初に描かれた犬の切手です。


 切手に描かれた犬は、カナダ原産の大型犬の一種でニューファンドランド犬で、ニューフィー(Newfie)と呼ばれています。


ニューファンドランド犬は、特に水泳と水中での活動に適した特徴を持つことで知られていて救助犬として活躍することが多く、溺れている人を救助したり、船の曳航を行ったりすることができます。


ニューファンドランド犬の特徴的な外見は、厚い二重構造の防水コートで覆われており、毛はしっかりと密集しています。


毛色は黒、ブラウン、グレー、または白と黒のパートリカラーなどがあり頭は大きく、顔には特徴的なたるみのある表情があります。


体格は非常に大きく、成犬で一般的な体重は約45kG以上になることもあります。


ニューファンドランドは、日本では希少な超大型犬です。


ニューファンドランド犬は、性格が温和で友好的であり、家族に対しては非常に忠実で、子供や他のペットとも良好な関係を築くことができます


切手は1887年カナダのニューファンドランド発行の「ビクトリア女王シリース切手」の中の一枚で、ニューファンドランド犬の顔が描かれています。




この切手ではニューファンドランド犬がどのような犬か分かりづらいのでわかりやすい切手を以下にに紹介します。


切手は1932年カナダのニューファンドランド発行の「キングジョージ5世シリース切手」の中の一枚で、ニューファンドランド犬が描かれています。





2023年7月20日木曜日

切手に見る赤十字-5.赤新月-

イスラム教国では赤新月と称し、マークは白地に赤色の三日月を用いていて、このマークも赤十字と全く同様に取り扱われています。


イスラム教国では、「十字はキリスト教を意味し、十字軍を連想する」として忌み嫌われたため、白地に赤色の三日月を識別マークとし、「赤新月社」(せきしんげつしゃ)と呼んでいます。


赤新月記章を使用することを最初に申請した国は、トルコです。


1929年,ジュネーブ条約改定の際に外交会議によって赤新月記章の使用は認められました。


トルコの国旗には三日月が使用されていますが,これは「オスマントルコ帝国の皇帝が戦線を訪れたとき,三日月と星が輝いた」という故事に由来しているそうです。


しかしすべてのイスラム教の国が赤新月を使用するとは限りません、インドネシアはイスラム教の国ですが,「インドネシア赤十字社」は赤十字マークを使用しています。


それぞれの国が、赤十字社を設立するときに決めた名称と標章が使用される事になっています。


切手は1915年トルコ発行の「オスマン帝国赤新月連盟慈善切手2」の中の一枚で、赤新月が描かれています。





切手は1944年トルコ発行の「赤新月切手」で、負傷兵を看護する看護師とともに赤新月が描かれています。






切手は2019年トルコ発行の「トルコ赤新月社創立15周年記念切手」で、切手右上に赤新月のマークと中央に赤新月記章のお置物が描かれています。






切手は1974年アラブ首長国連邦発行の「第3建国記念日切手」で、聴診器とともに赤新月マークと患者を診る医師及び医薬品が描かれています。







切手に見る原理・法則・定理-7.ニュートンの法則-

ニュートンの法則は、下記の3つから成り立っています。


1.第一法則(慣性の法則)


静止または等速直線運動中の物体は、外から力を受けないかぎり、その状態を続ける。


2.第二法則(ニュートンの運動方程式)


運動の変化(加速度)は、加えられる力と同じ方向に起こり、力の大きさに比例し、物体の質量に反比例する。


3.第三法則(作用反作用の法則)


物体が他の物体に力を及ぼすとき、他の物体から同じ大きさの逆向きの力を受ける。


イングランドの自然哲学者・数学者・物理学者・天文学者・神学者であったアイザック・ニュートン(グレゴリオ暦:1643~1727)は、てニュートン力学の確立や微積分法を発見した人物で、近代力学の基礎を築きました。


彼は3つの法則が天体でも成り立っていること、ドイツの天文学者のヨハネス・ケプラー(1571~1630)の法則とを組み合わせて、万有引力の法則(law of universal gravitation )、すなわち「物体にはかならず引力が生じ、その力は物体の質量に比例し、かつ物体相互距離の2乗に反比例する」という法則を導いたのです。


【おまけの話】


ニュートンがリンゴの実が木から落ちるのを見て、ニュートンは万有引力を発見したとす逸話は間違いです。


ニュートンは、"リンゴに働く重力"を発見したのではなく、"リンゴに対して働いている力が、月や惑星に対しても働いているのではないか"と着目したのです。


切手は1987年モナコ発行の「万有引力の法則300年記念切手」で、彼の肖像とともに万有引力の法則が描かれています。




切手は1993年北朝鮮発行の「アイザック・ニュートン生誕350周年記念小型シート」の中に収められた一枚で、ニュートンの肖像とともにリンゴの木と重力の法則の公式が描かれています。




切手は1971年ニカラグア発行の「数学切手」の中の一枚で、ニュートンの法則(重力)が描かれています。




切手は1977年モンゴル発行の「ニュートン没後250年9面小型シート」の中の一枚で、ニュートンの肖像が描かれています。




 

2023年7月19日水曜日

切手に見るヘラクレス物語-5.12の試練その4.エリュマントス山のイノシシの捕獲-

エリュマントスのイノシシは、ギリシア神話に登場する怪物でアルカディア地方の高地、エリュマントス山に棲む獰猛な大イノシシで、プソーピス一帯の田畑や農村を荒らし住民たちに酷く怖れられていました。


ヘラクレスは雪原に罠を仕掛け、イノシシを発見すると大声で叫びながら追い回し疲れさせた後に罠に追い込み捕まえました。


切手は1982年モナコ発行の「赤十字切手」の中の一枚で、エリュマントス山のイノシシを捕獲するヘラクレスが描かれています。






切手は1970年ギリシャ発行の「ヘラクレスの試練切手」の中の一枚で、エリュマントス山のイノシシを捕獲するヘラクレスが描かれています。





 

一番切手-1.お菓子を描いた世界最初の切手-

世界各国から1番(最初)に発行された数々の切手を紹介いたしますのでお付き合いください。


ここで紹介する1番切手とは、世界各国で最初に発行されたデザイン切手を言います。


例えは、献血呼びかける世界で最初に発行した切手・犬や猫を最初に描いた切手・病気を最初に描いた切手・UFOや古生物などを最初に描いた切手などです。


第一回目はお菓子を世界最初に描いた切手です。


切手は1949年オーストリア発行の「児童福祉付加金付切手」の中の一枚で、ローソクが立てられたケーキを前にスプーンを持って座る子供が描かれています。



 

2023年7月18日火曜日

切手に見る赤十字-4.ダビデの赤盾-

 イスラエルは、既存の赤十字マークと赤新月マークを使用せずに、独自の「ダビデの赤盾」(イスラエルでの呼称はマーゲン・ダビド公社(赤盾社))を使用していました。


※マーゲン・ダビド公社(ダビデの赤盾社)は、イスラエルの救護団体で、諸外国の赤十字社・赤新月社に相当する団体であり、国際赤十字赤新月社連盟に加盟しています※


しかしこのマークは、赤十字マークとしては正式には認められていませんでした。


今回第三のマークとして「レッドクリスタル」が正式の赤十字マークとして認められたことから、イスラエルもこの「レッドクリスタル」の中に「ダビデの赤盾」のマークを入れたマークを用いることで、イスラエルの赤盾社は国際赤十字への加盟が出来る事となり、赤十字国際委員会は同社を正式に承認しました。


レッドクリスタルについては次回紹介します。


切手は1955年イスラエル発行の「マーゲン・ダビデ公社創立25年記念切手」で,救急車の車体に「ダビデの赤盾」が描かれています。





切手は1980年イスラエル発行の「マーゲン・ダビデ公社創立50年記念小型シート」で、4枚の切手の上部に「ダビデの赤盾」が描かれています。





切手に見る知識の扉-17.ライオンズクラブと『白い杖』の関係を知っていますか?-

みなさんは日常の生活の中で、目の不自由な人が使用されている『白い杖』を見かけたことは必ずあると思います。


この白杖(はくじょう)は、1930年にイリノイ州ペオリアのライオンズクラブ会員ジョージ・A・ボーナムが発明しました。


そして今、世界中の視覚障害者がこの『白い杖』を使用しています。


ライオンズクラブと『白い杖』との関係は、1925年第9回ライオンズクラブ国際大会においてゲストスピーカーのヘレン・ケラー女史(1880~1968)が、「ライオンズよ!闇を開く聖戦の騎士たれ」と呼びかけて以来、盲人を助け、眼を守る運動はライオンズクラブの奉仕活動の大きな柱になっています。


現在、アメリカでは10月15日が「白い杖安全の日」とされて視覚障害者に対する啓蒙活動が行われます。


ライオンズマークの意味は、会員とクラブが、ともに一つになって進むことを意味しています。


円の中にある大きなLは、法(Law)、自由(Liberty)、労働(Labor)、忠誠(Loyalty)、愛(Love)、生命(Life)、ライオン(Lion)、を象徴しています。


ライオンの顔は2方向を向いていますが、これは非利己的な奉仕をあらゆる方向に向かって行うことを意味し、かつ、1頭は過去の輝かしいライオンズの歴史を見守っており、他の1頭は前途遼遠たるライオンズの未来を見つめています。


切手は1980年スペイン発行の「ヘレン・ケラー切手」で、手話とともに彼女の肖像が描かれています。




切手は1964年オランダ発行の「サマースタンプ切手」の中の一枚で、白杖を持ち盲導犬に誘導される眼の不自由な人が描かれています。





切手は1969年オートボルタ発行の「第12回ライオンズクラブ国際大会」で、眼の中に描かれたライオンズクラブのマークと共に、眼の不自由な人が白い杖を持っている光景が描かれています。




2023年7月17日月曜日

切手に見る原理・法則・定理-6.ケブラーの法則-

ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラー(1571~1630)は、以下に述べるケプラーの法則を打ち立てた人物です。


彼は天文物理学者としての先駆者と讃えられています。


ケプラーの法則は、地球を含む太陽系惑星の公転運動を定式化したものであり、第一法則から第三法則で成り立っています。


1.第一法則(楕円軌道法則)


惑星は太陽を1つの焦点とする楕円を公転軌道にとる。


2.第二法則(面積速度一定の法則)


惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間あたりに描く面積が一定になる、すなわち惑星の移動速度は太陽に近いほど早くなり、離れるほど遅くなる。


3.第三法則(調和の法則)


惑星の公転周期の2乗は、公転軌道の長軸半径の3乗に比例する、すなわち太陽に近い惑星よりも、土星や天王星のような太陽から遠い惑星のほうが公転に時間がかかる。


1と2の法則は1609年、3の法則は1619年に発表された著書に記述されています。


ケプラーのこの3つの法則は、この法則は後のニュートン力学にも影響を与えます。


切手は1971年東ドイツ発行の「著名人切手」で、彼の肖像が描かれています。




切手は2009年チェコ共和国発行の「ヨーロッパ切手ケプラー 国際天文学の日」で、彼の肖像とともに彼の法則が描かれています。




切手は1971年ルーマニア発行の「文化記念の日切手」の中の一枚で、彼の肖像とともに天体観測が描かれています。






切手は1980年北朝鮮発行の「ケプラー死去350年記念小型シート」で、切手にはケプラーの肖像が、シート面には著名な天文学者が描かれています。






切手に見るヘラクレス物語-4.12の試練その3.ケリュネイアの魔の鹿の捕獲-

この鹿は黄金の角と青銅の蹄を持っており、矢よりも素早く動くことができた巨大な雌鹿であり、女神アルテミスの聖獣です。


この鹿は全部で5頭いて内4頭は、狩猟・貞潔の女神アルテミスが自分の戦車に繋ぐことが出来ましたが、残りの1頭は脚が速すぎるため狩猟の神でもあるアルテミスでも捕まえることができず、ケリュネイアの山中に放されることになっていました。


ヘラクレスは鹿を探し回り、ある時ラードーン川の水を飲むために止まったときにヒュドラの毒を塗った矢でで脚を射て捕らえます。


女神アルテマスは、鹿が射殺されたと思い激怒しますが、鹿が生きていることを説明しアルテミスに鹿を絶対返すことを約束するとアルテミスの怒りは静まりました。


切手は1976年キプロス発行の「彫像切手」の中の一枚で、紀元前4世紀のアルテミス像が描かれています。




切手は1983年モナコ発行の「赤十字切手」の中の一枚で、ケリュネイアの魔の鹿を捕獲するヘラクレスが描かれています。




よもやま話-1.アテナとオリーブ-

ギリシャ神話において、女神アテナとオリーブは密接な関係があります。 アテナは、知恵、芸術、技術、戦争などを司る女神で彼女ゼウスの頭から生まれたとも、父親であるゼウスがティターン族の智慧の女神メティスを飲み込んだ際に、メティスの頭から生まれたともいわれています。 オリーブは、地中海...